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リアル展示会が本格開催!ビジネス復活の起爆剤に

コロナの影響で今春以降の展示会のほとんどが中止延期となっていました。以後、展示会主催者も企業側も試行錯誤の中でいろんな取組みに挑戦してきました。慣れない在宅勤務やビデオ会議などテレワークの拡大が進められてきました。一方でどうしてもリアルの営業や組織管理を必要とする部分を無理やりオンライン対応していく限界にも直面し、忸怩たる思いの中で収益低下に苦しんできたのが実態です。

コロナの感染拡大が完全に収束したわけではありませんが、ようやく徐々に新規感染者数が山を越えたとみられることから、実際の企業活動も活性化してきたように感じます。朝夕の通勤電車の込み具合もだんだんと以前の状態に近づきつつあります。新幹線の乗客数はまだまだ回復するまでには達していないものの、空席率は夏休み以前と比べると着実に減ってきているように思います。

リアル展示会の本格開催を企業活動の起爆剤に

一方、展示会も夏までは無期延期か中止、もしくは何とかオンライン展示会への切り替えとなっていました。9月に入ってコロナの感染状況が落ち着き始めてからは、企業研修も一部で集合研修の実施や、セミナーもリアルでの開催という機会が増えてきたように感じます。そして、展示会もここにきて一気にリアル開催が広がってきました。9月に入って東京での大規模展示会の皮切りに、本日から大阪のインテックスで小規模ながらも多くの業界対応向けの多彩な展示会が同時開催されています。

化粧品、スマートエネルギー、住宅・ビル・施設、雑貨・インテリア・文具、販促、営業支援、広告宣伝、非常に多くのテーマでの本格的展示会が金曜日まで実施されています。初日の本日に早速訪問してきたのですが、今まで溜まったエネルギーが弾けたという感じで非常に多くの来場者で賑わっています。

ただ、展示会は完全にフルスロットルで開催とまではいきません。当然コロナ対策はきっちりとされており、入り口での検温はもちろんのこと、マスク着用での入場は義務化されています。また残念なことに、出展申し込みをしたものの、ぎりぎりになって出展を取りやめた企業が結構あるようで、企業展示ブースはあるものの展示を取りやめたという表示をしているところが何か所もあったり、ほとんど展示物の準備をせずにポスターだけという寂しいブースもありました。コロナのリスク対応でぎりぎりまでどうするか迷われた末の決断だとは思うのですが、多くの来場者が来られることを考えると、開催するにもかかわらず空にしたブースで社名看板が出るのは、企業イメージとしては非常によくありません。またもったいないからと中途半端な準備で適当にパンフレットを壁に掲示して参加するのは最低です。誰が商談しようと思うのでしょうか? 高い出展料を払ってまで企業イメージを貶めることを自らやるなんて考えられません。

せっかく関係者の努力を結集して開催にこぎつけたリアルの展示会です。コロナのリスク対応は最優先事項には違いありませんが、他社のほとんどが出展を起爆剤に何とか復活を遂げようと懸命になっているのです。やるべき対策をきっちりやったうえで、どう経営判断を行うかがまさに問われていると思うのですが、安易なドタキャンや中途半端な展示はやるべきではないと感じます。

出展するべき展示会を改めてよく検討する

今回の展示会訪問で是非訪れたいと考えたのが、第1回国際化粧品展でした。日本だけでなく海外各国では小規模の化粧品メーカーがしのぎを削っています。化粧品といえば資生堂やシャネルなど有名ブランドメーカーが頭に浮かびますが、様々なオーガニック素材を使った化粧品を開発し、大手のブランドメーカーにOEM供給している小規模メーカーが多くあるのがこの業界の特色です。

それら中小メーカーが自社の特徴ある商品を武器に海外販路開拓に挑戦したい、越境ECや輸出ができないかとの相談を受けることが多いのですが、化粧品は結構薬事法務対応が国によって複雑で難しく、そう簡単に輸出できる商品ではありません。認可を取得するにはノウハウを持っている大手が圧倒的に有利です。また日本以外の海外メーカーも何とか日本のマーケット参入をしたいと目論んでいますが、これも同様にそう簡単ではありません。

個人輸入の範囲のサンプルレベルの数量であれば越境EC体制を組むことも考えられますが、本格的に海外市場に参入するためには、薬事対応力を自ら備えるか、そのノウハウを持っている現地輸入商社か代理店と提携することがベストです。

そういったチャネルネットワークを広げるための商談機会として展示会に出展されたメーカーが多いように思いました。しかし、今回の展示会の出展社を回った感想としては、販路開拓のための展示会と位置付けるのであれば、出展する展示会の検討を熟慮するべきではないかと思うのです。

確かに出展社の多くは日本の化粧品OEMメーカーでした。各社それぞれ特徴ある素材と効果を力強くアピールしていました。来場者対象は百貨店やコスメショップ、雑貨などセレクトショップ、サロンやSPA、商社・代理店など、仕入れ・選定のための展示会との位置づけです。だいたい大抵の展示会では、出展する側は売りたい企業、来場側は買いたい企業という構図です。

展示会の出展社で、「買いたい企業」のブースがあるかどうかをいう視点で見て回ったのですが実際はあまり見かけません。出展してはいけないということはないはずですが、「売りたい企業」の多くのライバル企業が軒を並べる中で、「私のところはこういったメーカーと取引したい、こういった商品を開発製造できるメーカーを探していて、そう商品を仕入れれば売上を伸ばす自信がある」といった「買いたい企業」がブースを出せば、出展しているメーカーにとっても商談チャンスが増えると感じました。

訪問したある化粧品販売ブースでは、自ら化粧品を製造しているのではなく、イスラエルや欧州から特徴ある化粧品を輸入販売している内容をアピールしていました。特徴ある商品を世界中から調達して日本市場で販売を行う企業です。日本のOEM化粧品メーカーや日本市場をターゲットにしている外国の化粧品メーカーにとっては、是非とも取引したい販売企業です。製造開発するよりも、顧客開発に強みを持っている企業が化粧品業界では求められるように思いました。

つまり、化粧品展示会ではメーカーだけを主体にしたものではなく、どう売るか、どう提案して顧客を囲い込むかのノウハウを持っている販売マーケティング企業が出展する方が効果的だということです。製造業というと何がなんでもモノづくりの差別化で買ってもらおうという時代はもう過ぎ去っているように思います。いかに顧客が求めるソリューションを提供できるかというマーケティング主導企業こそが生き残るのではないかというのが、化粧品業界に限らずあらゆる業界に広がっていることを改めて強く感じました。

是非、リアルの展示会に足を運んでください。コロナショックの今こそ、何かしらサバイバルのヒントを得られると思います。