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海外では日本人としての常識に囚われないことが大事

今、ベトナムのハノイに出張に来ています。既に個人のフェイスブックでアップしていますが( https://www.facebook.com/naoki.sugiura.908 )、一昨日の23日はベトナムは大変な騒ぎでした。サッカーのU23アジアカップで、ベトナムが準決勝でカタールにPKで勝ち上がり、初めて決勝に進出することになりました。夕方の3時からキックオフで、PK戦で勝ったのが6時前であったことから、それからは町中が大騒ぎで、バイクで国旗を振り回して走り回すし、どっと繁華街に人が繰り出して「ベトナム万歳」の連呼でした。私もホテルに帰るタクシーを探すのも一苦労で、しかもホテルが旧市街のど真ん中だったため、途中で車が入れなくなり、結局歩いて人をかき分けて帰らざるを得なくなりました。大騒ぎには違いないのですが、本当にうれしさいっぱいで、老若男女問わず、一般人から商売人、警察官まで大変な喜びようでした。一つのことに団結するとき、ベトナム人の強さというものを垣間見た日でした。私自身も大変うれしく、途中で吹っかけられたとはわかったうえで、高いベトナム国旗とハチマキを買ってしまいました。それでも200円だったのですが、ベトナム人に言わせるとそんなぼったくりに引っかかってと笑われました。普通は20円で売ってると聞いて二度びっくりでした。

日本人のフェイスブック投稿が炎上

このサッカーでの大騒ぎに遭遇したある日本人観光客の一人が、ベトナム・日本の交流フェイスブックサイトに投稿していました。この騒ぎに相当びっくりしたようで、町中を交通ルール無視でバイク暴走したり歩道を走る姿や、人の迷惑を顧みずお騒ぎするベトナム人を蔑むかのように、ベトナム人の悪い面を見ることができたのは貴重な体験だっとと投稿したのです。もちろん、交流サイトにお互いを非難するような内容を投稿する方がおかしいと叩かれていました。

私自身は喜びを爆発させる大騒ぎには全く違和感がありませんし、ベトナム人にとってのサッカー文化の受け止めも十分理解していましたので、むしろ当然であって、私自身も大変嬉しかったです。交通ルールを守らずに暴走していることを日本人の感覚で非難することは簡単ですが、あらゆることに法律やルールに縛られて生きている日本人の感覚そのものに疑問を感じたのです。

日本人が理解する常識を疑うことの重要性

おそらく多くの日本人が海外で体験して感じることに、「●●人って信じられない、常識を疑う」「●●人ってどうして自分勝手なの」「●●人ってどうしていつもそんな考えをするの」というのがあります。海外展開した企業の責任者が、現地社員と一緒に仕事をするときには、こういう感覚を持ってしまいがちです。

ほぼこの受け止め方は、全て日本人の感覚を基準にして比較していることが原因になっています。それが会社経営上、正しい場合もあるでしょうし、また単なる思い込みや日本人の特異性からの場合もあります。だいたいこの「常識」というのが曲者で、常識は誰かにとっての考え方の基準の一つに過ぎず、他人特に外国人にとっては決して基準にはならないこともあるのです。U23の準決勝の試合開始は午後3時で、実際朝からベトナム人はそわそわしていましたので、私の今回の仕事であった研修講師として、思い切って昼休みをなしにして研修時間を調整して3時に前倒し終了する配慮をしました。普通の日本人の感覚では公私混同ではないかと感じる人が多いと思いますが、何の価値観が大事なのか、ルールを変更しても同じ内容であれば柔軟に対応するのがむしろ海外での常識ともいえます。この時間対応を講師として行ったことで、ぐっと参加者との信頼関係が高まったのは間違いありません。しかも、翌日一緒にベトナム勝利を喜んでくれた先生ということで、この先生はベトナム人を理解してくれていると言っていました。

日本人としての常識は、ある程度日本人の間では共通の価値基準として理解されます。しかし、外国人にとっては「その常識っているのはどこの誰の常識なの?」と思われるのが落ちです。但し決して言葉では言ってくれませんが・・・。ある人にとっての常識とは、その人の生活や教育、文化、歴史、環境によって培われてきたものであって、生まれながら万国共通のものではないのです。時間厳守、これは日本人の感覚では常識です。ビジネス関係での非常に当たり前です。時間を守れない人は信用されません。約束に遅刻することは、その後お呼びがかからなくなります。しかし、これが万国共通の常識ではないのです。

この自分自身が判断基準としている常識そのものを疑ってみる、そこから異文化コミュニケーション力を備えたより視野の広い思考力、経営力が高まるのではないでしょうか。

そして、いよいよ今週土曜日の27日は、U23アジアカップの決勝戦です。相手はウズベキスタン。強豪の日本と韓国を撃破して勝ちあがってきたところです。流石ベトナムではいくらなんでも優勝は無理だろうと言っている人が多いのですが、日本や韓国相手では無理かもしれないけど、ウズベキスタンなら倒せない相手ではないと、今から結構盛り上がっています。キックオフはベトナム時間の3時。その日はいったいどうなるのでしょうか。その夜帰国する予定なのですが、おそらく夜は空港に行くタクシーがつかまらないでしょうし、夕方ぐらいから一旦繁華街に足を踏み入れると空港には行けなくなる可能性があります。今からどうしようかと悩んでいます。