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日々発展変化するベトナム

日々同じ国で生活や仕事をしていますと、なかなか周囲の変化に気づくことが鈍感になります。ベトナムで4年近く出向していて、日本に帰ってからも4年余りになりあすが、海外にいるときには日本の問題や変化について感じとることができる一方で、肝心のベトナムの日々の成長発展の様子を実感していたかと言えばそうでもありませんでした。むしろ、日本に帰ってから4年間で、ベトナムがいかに変化してきているかということを、日本から見ることによってより実感するようになりました。だいたい年に3、4回ベトナムに出張しますが、出張のたびに新たな発見があると同時に新鮮な刺激を受け、逆に日本の課題について深く考えさせられるのです。

急増している電動バイク

ベトナムはバイク天国であることは有名ですが、これは裏を返せば公共交通機関がまだ整備されていないことを意味します。都会でも地方でもバイクに頼らないと日常生活がままになりません。バスもあるのですが、行きたいところに一番早くしかも低コストで移動できる手段はバイク以外にありません。今、ODAによって地下鉄が整備されているところです。あと2、3年もすればハノイとホーチミンの移動手段は大きく変わると思われますが、これほどベトナム人のライフスタイルそのものになっているバイクは、すぐに公共輸送機関がとって変わることはないですし、移動手段だけではなく、物流手段でもあり、家族や友達関係を成り立たせている生活手段でもあるため、今後どのような変化があるかに注目です。

一方で、私が今回の出張で驚いたのは、地方の中高生の通学手段として、急激に電動バイクが増えていることです。こちらは土曜日も学校があるので、私がゴルフの帰りなどで、多くの中高生が自転車か徒歩で通学しているのを見ます。ところが、先日中学校の下校時に、校門からどどっと出てきたのが、いわゆる電動バイクの集団でした。日本のような電動アシストj自転車ではなく、電動バイクそのものです。まさしく音と排気ガスを出さないバイクです。ペダル付のモデルもありますが、多くはモーターバイクの機能です。ほとんどは中国から入ってきているのですが、ここ数年急速な普及が進んでいます。なぜ中高生が電動バイクかと言いますと、公式には中高生は年齢的にバイクの免許が取れません。ところが、電動バイクは電動自転車として扱われるので免許が要らないのです。また少し地方に行きますと、中高生にとって通学範囲は非常に広くなり、小学生ではないので送り迎えがなく、楽して自分で通学するにはどうしても電動バイクが一番便利になるため、昨今非常に売れているとのことです。

一方日本では、昨今原付の販売が急落し、電動アシスト自転車の方が売れているわけですが、電動バイクは全く普及しません。この理由は明らかで、電動バイクを自転車と扱うベトナムと、原付免許を必要とするバイクと同じように扱う日本の免許制度の違いからです。電動バイクは中国では数年前から爆発的に売れていましたが、日本にいるだけでは全く海外の動きが読めない一つの事例かと思います。

急増する自動車と減少するタクシー

今、ハノイもホーチミンも地下鉄工事があちらこちらでやっており、交通渋滞は相当深刻になってきています。バイクの市内乗り入れ制限も真剣に議論されていますが、昨今出張で来るたびに自動車の数が急増しているのを実感します。かつ、今までは同じような普及タイプの車種の車が多かったのですが、いわゆる欧州系の高級外車が増えていますし、割合きれいな新車を多く見かけるようになりました。着実に所得が増えているのも走っている車を見ても感じます。

わずか数年前は、バイクの洪水の中を車がかき分けて走っているという感じでしたが、今は車の数自体がすごく増えて、その間をバイクが抜けていくという様子です。ハノイの外周高速道路も、以前は結構快適に車が走っていたのに、夕方などは高速そのものが渋滞して動かないという状態になりつつあります。

なぜここまで急に車が増えたかということについて、所得が上がったということもありますが、もう一つの動きはUBERなど自分の自家用車のシェアサービスで小金を稼ぐドライバーが増えたというのを感じます。タクシーはすぐにわかりますが、UBERなど自家用車がタクシー代わりに走っているのはパッと見るだけではわからないものの、最近ではUBERかどうかが結構わかるようになりました。確実にUBERによるシェアサービスを提供するドライバーが増えて渋滞を引き起こす原因の一つになっています。

これにより、最近ハノイやホーチミンでは流しのタクシーをつかまえるのがだんだん難しくなってきました。UBERの方が車がきれいで料金も安いので、タクシーを呼ぶよりもUBERをスマホで依頼する人の方が多くなっています。したがってタクシーのドライバーでは食っていけなくなり、だんだんと町からタクシーの数が減っているのを感じます。私自身もまだUBERのアプリを使いこなせていないのですが、きっちりUBERで移動手段を確保しないと、タクシーも走っていないので時間の浪費につながりそうです。

こういった世の中の変化は日本にいてるだけではなかなか感じないものです。