このページはJavaScriptを使用しています。
ご使用中のブラウザはJavaScriptが無効になっているか、JavaScriptに対応していません。
サイトを正しく表示、ご利用いただくには、
JavaScriptを有効にするか、JavaScriptが使用可能なブラウザでアクセスして下さい。

生涯7回目のパスポート更新

パスポートの期限が残り半年を切ったことで先月末に新規バスポートへの更新をしました。ベトナムなど国によってはパスポート有効期限が半年以上ないと入国を認めないところがあるためです。海外に初めて行ったのが社会人になってからでしたので、今まで何回パスポートを取得したか数えてみますと7回目でした。当初は5年有効のパスポートしか取得できなかったので、結構更新取得の回数が多かったと思います。イギリスに赴任中の1999年にロンドン領事館で10年パスポートを取得してからは、その後2009年に切り替え、今回2019年1月に有効期限を迎えることになったものです。以前の失効したパスポートを振り返ってみますと、改めて数えきれないほど多くの出入国を繰り返したものだと驚いています。しかも、全てのパスポート全てにおいて増刷ページをかけていました。以前の中国やインドでは一回ごとにビザを取らねばならず、ページがすぐになくなっていたことがわかります。失効パスポートはまさに自分自身が生きてきた証ともいえます。

日本人が海外に出かける際に、現地の入国審査で特に困るようなことはほとんどなく、当たり前のように日本のパスポートを使っています。この日本のパスポートを持っていることのメリットというのは、普段あまり感じることはないと思います。特に観光客で入るときはそうです。しかし、ビジネスで世界各国を訪れる機会が増えていきますと、改めて日本人として日本のパスポートを持っていることのありがたさを身に染みて感じることが多いものです。

入国管理の列に並んで周囲の様子を見ていればわかるのですが、日本のパスポートを持って入国する人に対して、入国審査官がネチネチと質問をするような場面に出くわすことはほとんどありません。ところが他の国のパスポートを持っている人の入国審査は結構念入りなのです。入国審査の列が長いとき、どこに並ぶか悩むことが多いのですが、ほぼ同時刻に何機かの飛行機が到着して混んでいる場合、日本人が多く並んでいる列の後ろにつくほうが早く手続きをすませることができるのです。

また、よく海外に旅行している人はわかっておられると思いますが、日本人はノービザで入れる国が非常に多いのです。他の国の人にはノービザで、日本人にはビザ取得を求めている国はあまり聞いたことがありません。通常ビザ取得は相互主義によるのが基本ですが、発展途上国との間では、日本政府は不法労働者が増えるのを懸念するため、相当入国管理が厳しく、ベトナム人が日本に旅行する短期滞在でもビザ要件は結構難しく、受け入れ側の身元保証書とか招聘状、旅行スケジュールを前もって取得しないと、観光ビザすら取得に時間がかかり、ノービザでは入国できません。

私がベトナムに勤務していたとき、部下の一人を連れて一緒に日本出張したことがあり、そのときにもちろん会社として招聘状を出してビザを取得して成田空港に着いたのですが、なかなか外国人入国のカウンターから出てこないのです。彼女の 入国審査に時間があまりにもかかっているので、私が入国カウンターを出たところに回って「何か問題か?彼女は海外子会社の社員で研修のために私が同行して連れてきたのだが・・・」といったら、氏名がブラックリストに上がっている名前と同じなので確認していると言われたのです。結局、その後すぐに入国はできたのですが、よく聞いてみると、彼女の名前はNGUYEN TRANGという最もポピュラーな名前だったことが原因となっていたようです。NGUYENさんというのはベトナム人の約7割を占めますし、日本人でいうと鈴木良子というような当たり前の名前ということだけで入国審査で引っかかったということになります。

一方、ベトナムもビザ要件は厳しく、長期ビザや労働許可の取得審査は複雑でややこしいですが、前回の出国から一か月開けておれば、ノービザで2週間の滞在が許可されます。短期出張や観光旅行であればそう問題なく入国は可能です。これはベトナムの一方的措置で、日本のパスポートを保持する日本人に対する信用の証かと思います。不法労働の防止も理解はできますが、日本政府もタイやフィリピンに対して行ったように、ベトナムに対しても観光旅行のビザ免除を行うことにより、もっと両国間の往来が頻繁になり、ベトナム人の観光客はさらに拡大していくことは間違いないと思います。

日本のパスポートを持っていることのありがたさを改めて感じた生涯7回目のパスポート更新でした。次の更新時期は10年後になりますが、もしかしたらこれが人生最後のパスポートになるかもとも思いもよぎりながら、写真には納得できるものを選んで手にしました。