SDGsは企業の存在価値に直結
最近このマークのバッジを胸につけている人を多く見かけませんでしょうか? 今はクールビズの期間なのでスーツを着ていない人も多い時期なのですが、もう少し涼しくなってジャケットを着る人が増えるとやたらこのバッジを着けている人を見ると思います。着けている人は当然意味をわかっていますが、これは決して銀行とか公的機関とかの特定企業・団体の社章といったものではありません。結構大きいサイズなのでいやでも目につきます。着けている人は社章よりも大きいので目立って恥ずかしいという声もちらほらと。
若い人や会社勤めでない自営業者の人にとっては、あまり関心がないので意味がわからないかも知れませんが、今後は企業や公的機関にとっては、企業の存在価値とも直結する一種のグローバルスタンダードの理念を現したものです。
SDGsはこれから世界が向かう大きな目標
このロゴマークの意味はSDGs(エスディージーズ : Sutainable Development Goals)の略語です。一体これは何?と感じられる方も多いでしょう。私自身も昨年までは、このバッジってどこの社章なのかなと思っていたくらいでした。ちょっと認識が遅れていました・・・反省。
SDGsとは、2015年の第70回国連総会で採択された 「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」 で提唱された、2030年までの全世界共通の持続可能な成長戦略として、17のゴールと169のターゲットのことです。
この詳細についてはまた別の機会に述べたいと思いますが、この世界が2030年までに達成していこうという17の目標は、先進国、発展途上国共通のものであり、今の世代だけでなく、次世代にとっても持続性のあるものということで、誰も反対できないものばかりです。
ただこれを実現するには、各国政府が取り組むだけでは不十分で、国際機関、学術機関、民間企業、そして全世界の一人ひとりが取り組まなければならない課題ばかりです。この17の目標を見ますと、持続可能な開発、成長発展を、経済・社会および環境の3つの側面でバランスをとって統合化された形でコミットしていこうというものです。
その中で特に重要なのは「環境」に関する課題で、全ての基盤になると言っても過言ではありません。先進国、発展途上国ともに取り組まねば、未来の世代に持続する成長発展が実現しえない重要課題です。とりわけ企業活動とは切っても切れないものであり、企業活動の根幹部分において、地球環境の課題解決にどう事業を通じて貢献するかというのは、企業の存在価値そのもので、いわば経営理念そのものとは切り離せない重要な目標といえます。
SDGsに貢献する経営理念に基づくビジョンを発信
特に大企業はこのSDGsは経営理念と直結するものであるとの認識を十分に持っており、企業経営の根幹に据えておられるところが増えています。自社のビジョンはSDGsの17の目標のどの部分に貢献していくものであるかを明確に打ち出しているのです。一社で17の目標全てに貢献できることは無理ですが、思いを一つにした企業が増え、それぞれの分担の中で国際社会の成長発展に寄与していこうという経営姿勢は非常に称賛に値しますし、その思いをロゴバッジの着用に示していると思います。また、電車の社内広告でもSDGsに関連したものが増えてきています。(写真は阪急電車内でのYANMARの広告)
海外展開においても、特に発展途上国ではSDGsへの関心が高まってきています。中でも環境問題への貢献という視点から進出している外資の経営姿勢をよく見ている傾向があります。製品・サービスを通じてのSDGsへの貢献は当然のことながら、それを超える分野で環境貢献活動をやっているかどうかも今後大きく問われてくるように感じています。