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失敗しないDXのための3条件と6つのステップ

今や猫も杓子もDX!、政府の補助金交付の審査基準もDXで革新的ビジネスモデルに取組んでいるかが問われているため、明けても暮れてもあらゆるセミナーや研修でもデジタルトランスフォーメーション花盛りです。

しかし・・本当にDXの本質をわかって取組み、デジタル化の成果に結びつけられている企業はそれほど多くはないのではと思います。政府や地方公共団体などからは成功事例についても紹介されていますが、逆に失敗事例やその原因などについてはあまり共有されていないのではないでしょうか。

中小企業の経営者の多くはIT化の遅れに対する危機感はあります。しかし実際経営者のほとんどはIT技術については門外漢であり、どのようにDXを推進して良いかわかっていない人が多いと思います。とにかく時代に遅れてはいけない、IT人材を何とか確保して社内のIT化を進めないといけないとの思いが先行し、とにかく社員全員にITセミナーを受けさせたり、資格を取らせたりしているだけで、あまり深く理解せずにシステム開発事業者の口車に乗って、ビジネスモデルとは直結しない無駄なシステムを投資してしまっている事例が多いと感じます。

大企業、中小企業に限らず、巨額のIT投資が無駄になってしまった事例に枚挙に暇がありません。DX導入にあたっての失敗する企業に共通の状況が見られます。情報システムの舵取りがうまくいかずトップの首が飛んでしまった某メガバンクの問題の根本原因はどこにあったのでしょうか。メガバンク自身は複数大手都銀の経営統合で発足しているわけですが、システム統合において出身銀行の融合がうまくいかないということが原因とされていたように思います。

ただおそらくトップを含めた上層部の経営陣は情報システムに関する知見はあまり持っておらず、システム開発を請負った事業者に何とかしろと指示をするだけで、問題の本質を理解できないままにシステムトラブルを繰り返して最後は責任を取らされたということではなかったかと思うのです。

同じような問題は大手企業の多くが業務改革のためにERP導入を行うべく、大手IT企業に巨額のコンサル費を払ってシステム導入を進めたのに、結果的にそのシステムは使い物にならず、何とかアドホックで機能させようと追加機能をどんどん積み重ねて結局は業務改革の成果にはつながらなかったという憂き目を見ています。

しかしこういったDX革新で取組んだ一方で失敗事例と原因については企業自身もITコンサルも一切共有しません。どこでも成功事例ばかりのセミナーが花盛りなのは社会的にも大きな損失となると思います。

DX導入に関する最大の失敗原因は、経営責任者がITスキルとマインドが不足しているにもかかわらず、とにかくDXだと外部のITシステム事業者に丸投げしてしまうため、成功させるための組織的取組みに欠けていることにあります。とりわけ大企業のERP導入失敗のほとんどは、本来業務改革のために行うべきところを、現行の業務プロセスを変えたくない抵抗にあってイレギュラー処理をデジタル化する追加機能の積み重ねに変貌してしまうところに原因があります。

そもそも業務プロセス改革を自社内で行わずITシステム開発事業者に依存してしまうことが最大の問題です。中小企業がDXに取組むにあたっても、この轍を踏まないようなDX導入支援を行うべきだと思うのですが、今あちらこちらで行われているDX導入セミナーには失敗しないための取組みはあまり見られないのは残念なところです。

DX導入を成功に導くためにどうしたらIT人材を育成できるのかという観点だけでは失敗します。最も重要なのは、経営責任者自身のスキルとマインドであることを改めて認識していただきたいと思います。

そのうえでどうしても押さえておかなければならない3つの条件があると思っています。

条件1 経営理念とビジョンを踏まえたデジタルビジネスモデルの明確な設定

DXは経営戦略そのものであり自ら主体的に目指すべきビジョンとデジタルビジネスモデルを明確化することがDX推進の前提条件です。

DX化が先にありきでは失敗します。必ず目指す経営の姿を踏まえたデジタルビジネスモデルをトップ自ら指し示さないとDXの取組みは迷走してしまいます。この部分を部下や外部のIT開発事業者に関わらせては失敗する最大の原因となります。

条件2 司令塔となるトップ自らリーダーとなるDX推進部門の設立

DX推進は経営戦略の根幹である認識に立って、専任の司令塔となる推進部門を設立し、経営責任者自身が推進リーダーとなって全社プロジェクト体制として既存組織にも責任と役割を明確にすることが必要です。

取組むべきデジタルビジネスモデルを実現するためのBPR、つまり業務プロセス改革のデザインを描き、実際のタスクフローチャートとデータマネジメント体系までプロジェクトとして完成させます。その過程において社内の抵抗勢力は排除するぐらいの権限を付与することが求められます。

条件3 ITシステム事業者には丸投げしない

ITシステム開発事業者に全面的に丸投げせず、タスクフォローチャートでのシステム要件定義からITシステム設計に関与させることが重要です。

DX推進には6つのステップを明確に設定し、それぞれ経営トップ、DX推進部門、IT開発事業者の役割区分を整理するところから進めていくことで成功につながると思います。

①経営理念・ビジョンの明確化

②取組むべきデジタルビジネスモデル

③実現するべき業務ビジネスプロセス

④タスクフローチャート

⑤データ収集・共有マネジメント体系

⑥ITシステム設計

今まで公的機関のセミナーやいろんなDXセミナーに出席したものの、具体的にはどう推進したら良いかまだ腹落ちしておられない経営者の皆様、御社にとっての最適なDXの目標は、経営理念とビジョンをお聞かせいただくことでベストの処方箋をご提供できると考えております。

ご相談は無料です。

御社に適切なセミナー、研修をご用意させていただきます。