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税金で補助金支援をするよりも減税が国民の利益

 

中小企業にとって馴染みの深い補助金としては、小規模事業者持続化補助金が小規模企業向けの販路開発支援や、設備投資や新規サービス投資用のいわゆるものづくり補助金、そして大規模ながらも実施上の建付けに様々な問題を抱えている事業再構築補助金があります。

また昨今、IT事業者と中小企業が共同で申請するIT補助金は、事業者が設備と導入コンサルを兼ねることから、補助金を業者からのキックバックなどで水増しするなどの手法で事業者の不正な営業による案件獲得など相当数の不正の温床となっているようです。

事業再構築補助金が問題視されたのが、ゴルフシミュレーターやサウナ、グランピングなど流行性の高い事業者がセミナーを開いて中小企業経営者に対して売り込みをかけ、事業計画書策定を代行(実際は下請けで専門家に委託)して申請が相次ぎ、同じような事業計画書が何件の重複してしまうなど安易な事例が報告されたことで、国の委員会から鋭く指摘され迷走してしまいました。

今回の補正予算や来年度予算の概算要求を見る限りは、来年も中小企業支援のための補助金は続くと思われますが、相当審査も厳しくなるものと思われます。実際どの補助金も来年度はいつどういう制度で実施されるのかははっきりとはしていないのが現状です。

事業再構築補助金は中止した方が良い

過去3年間大規模な補助金として運用されてきた事業再構築補助金は、令和6年度中には実際第12回の一回のみしか公募されませんでした。実施回を追うごとにどんどん採択率が下がり、それだけでなく、採択後の交付申請、実施報告の段階が進むにつれて新たなルールを持ち出され、申請時点で認められていた経費が、交付申請で蹴られ、交付申請でOKとなったのに、実施後の報告段階で認められずに補助金が出ない、補助金が出た後も5年間も毎年報告と実地調査で認められずに返金を求められたというケースがあるようです。

事務局の対応に一貫性がないことからどんどん新規事業に取り組むタイミングがずれたことで資金が回らなくなり、補助金で新規事業に取り組んだばっかりに倒産してしまったというような企業もあると報告されています。

本来補助金が出るから新規事業をやってみようというのは本末転倒しています。企業経営の目的が単なる儲ける手段として考え、補助金がもらえれば投資を押さえて資金が助かるという思いで事業再構築に取り組もうという事業計画書は、そもそも魂が入っていませんので、他人特に審査員から見れば一発で見透かされます。第12回の公募結果では、厳しくなった第11回に引き続き採択率は極めて低く、25%と申請の4社のうち、3社が不採択となっている現実があります。

中小企業経営者が多忙な日々の中で、独自で事業計画書を作成して採択されるというのは至難の業です。事業計画書は認定支援機関と共同で作るということが条件になっていますが、多くの認定支援機関は金融機関や商工会、民間コンサルタント、中小企業診断士や会計士、行政書士などです。ところが実態は金融機関や民間コンサルタント自ら事業計画策定を行っているのではなく、そこから士業、特に中小企業診断士などに委託もしくは紹介しているのです。つまり事業計画書を作成するプロの関与なしには審査の土台にも乗らず、しかもほとんどの申請で士業が支援しているにもかかわらず、その中からわずか25%しか採択されないというのが現状です。

昨年は40%から50%の採択率であったので、支援する側にとっても、成功報酬という形で受託することによって費用対効果が取れていました。民間コンサルタントなどは下請けの中小企業診断士に紹介することで、着手金や成功報酬の約半分をピンハネして濡れてに粟状態でした。ところがプロが企業経営者と何度もヒアリングし、申請条件をクリアするような戦略を考え、事業計画書にまとめるには相当の専門性と労力が必要となりますが、成功報酬を得てようやくペイするわけで、着手金ゼロで受けることも多く、10万そこそこの着手金だけで続けられるわけがありません。さらに採択される時点での成功報酬だけでは、その後の複雑でハードルの高い交付申請や実施報告支援まで関与することになりますと、企業側も正直なところやってられなくなるという声が多くあります。

事業再構築補助金は、企業側のみならず実施する国や委託を受けた事務局側、認定支援機関側にも多大なコストと時間の負担がかかります。国は税金をできる限り多く集めて、補助金の形で関与したがります。国も各省庁で有象無象の補助金が山のように予算化されているだけでなく、地方公共団体でも補助金制度がそれこそ複雑に企画運営されています。つまり補助金は役人の権限の象徴なのです。

補助金は本当の国民のためになっているのか

国民のくらしを支えるために国や自治体が補助金を拡充させていくというのは、一見納得性があると思いますが、実際にはそれを実施するための事務経費が膨大であり、ほとんどが委託事象者を公募して実施運営を下請けさせるのですから、広げれば広げるほど公務員が行う事業の生産性は落ちていきます。申請を受け付け、審査体制を作り、補助金支給の事務手続きに膨大はコストがかかっています。補助金は国家の成長発展に必要な最低限かつ効果的なものに絞るべきではないでしょうか。

防衛費や教育費、福祉関係費などに国家運営に多額の予算が必要なのはわかります。ただどう考えても本当に必要なものかと思う予算があります。例えば「男女共同参画事業」というものに9兆円、SDGs関連予算に6.3兆円、こども家庭庁に4兆円・・・。こういった予算の中身をよく見るとこれでもかというぐらい無駄な補助金があります。

ヨガ講座、タップダンス講座、フラメンコ教室、骨盤体操、お菓子教室、LGBTQ演劇、トランスジェンダー映画祭、メイクアップ教室、韓国語教室、みんなでウクレレ教室、インドネシア料理教室、バルーンアート教室、カレーマイスターによるカレー講座、ハーブ料理教室、女性のための農業入門、ハルモニひとり芝居・・・頭くらくらしてきました。

事業実施内容(全国251団体の取組概要等) | 内閣府男女共同参画局

こんなことに税金を補助金で使っても良いのでしょうか。財務省は税金を集めることしか頭にありません、省庁や地方自治体を予算の確保しか考えていません。補助金は利権の温床になってしまっています。今、103万円の壁についての議論が高まってきました。税金を集める側の国や地方自治体は税収が減るからと、すぐに財源確保の問題を出して大反対です。

国民民主党の主張が国民に受け入れられたのは、税金を集め使う側の立場ではなく、国民が物価高で苦しんでいる中で、税金を払う側からの視点で政策を提言しているためです。減税をまず先行させれば、国民の所得が増えてかなりの部分が消費に還元されるので、財源問題の相当部分は帳消しされますし、税金を使う側の国や地方自治体にとっては、予算ありきでくだらない補助金を整理することで、予算執行のための経費を効率化できます。

とにかく国が関与するのは国家の成長発展につながるところに集中させ、福祉行政も国民のためびどうしても必要なところだけに収れんさせていくべきと思うのです。