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何のためにその事業を行うのか(補助金・融資で求められる視点)

認定経営支援機関として、企業の補助金申請のための事業計画書を見る機会が多くなっています。当然様々な事業があるわけですし、補助金申請されようとしている企業が置かれている立場はそれぞれです。

事業計画書は補助金の主旨に沿り、認定経営支援機関等が支援する形で作られていますので、よく練られた事業計画に接することが多いです。ただどうしても本当にその事業ができるのかという疑問を感じることもあります。IT導入補助金、ものづくり補助金、事業再構築補助金や小規模事業者持続補助金に限らず、企業が融資を受ける際にもきちんとした事業計画書を策定する必要があるのですが、どの補助金の申請においても、事業計画の審査があります。全てが採択されるわけではなく、補助金にもよりますがだいたい半分ぐらいしか採択されないのが一般的です。

私自身は現時点では企業の補助金申請には関わっておりませんが、採点基準はそれぞれの補助金で異なる部分があるものの、その基準以外に審査官の目から見たときに、おそらく次の二つの要素について簡潔にまとまっている計画には好印象を持つのは間違いありません。

この二つの要素は、全ての補助金申請や金融機関への融資説明のための計画策定にも共通項目であると思います。是非参考にしていただければと思います。

1.何のためにその事業を行うのか

新しい事業に取組むために補助金に採択されたり融資を受ける目的で事業計画を策定します。ところがいろんな企業の事業計画を拝見しますと、その新しい事業はいったい何のために行うのかがさっぱりわからないものがあります。

企業の多くは企業理念を掲げて事業を行っているところが多いはずですが、補助金や融資を求めて新規事業に取組むときには、ややもすればその新規事業は企業理念とはつながっているとは思えないときもあります。

企業理念でそもそも社会に貢献する事業と謳っていながら、あくまで一つの例ですが、既存事業そのものも非関連多角化で、居酒屋を何店舗も持っていて、さらにカレーチェーン店もFC展開で開業し、かつ事務所で学習塾をやっている企業があります。ところが居酒屋はコロナの影響で売上が激減したので、今度新しく事務所を改造してコワーキングのレンタルオフィスをやるとか、介護サービス事業をやるとかいうようなケースがあります。

正直、この会社の強みとは何なのかよくわかりませんし、とにかく儲かるものであれば何でも構わないという経営姿勢が見えてきます。もちろん単一事業それぞれ「社会に貢献する」という理屈は成り立ちます。しかしこういったところほど、新規事業のノウハウは自社にはなくFCチェーンに加盟して獲得するというのがほとんどで、市場調査や競合調査も具体性に欠けています。

企業経営者たるもの、何のためにその事業を行うのかを考えないで、補助金や融資を求めてもまず採択は厳しいのではないかと思います。

2.因果の原則

私は経営の原則は「自因自果」にあると思っています。「今起きている結果は全て自分の過去の種まきの原因によるものである」これは仏教のお釈迦様の教えの一つですが、経営においても結果は全て自分自身の過去の行いに因るものであると思います。現在、事業が成功して発展しているのも経営者自身の過去の種まきの結果であって、決して偶然ではなく必然なのです。もちろん、経営不振になっている場合も、市場環境が悪いからとか融資を受けられなかった、補助金に採択されず投資ができなかったからの結果ではありません。それも全て経営者自身に何らかの原因があります。全て過去にその因があるのです。

ところが事業計画書を見て感じるのは、環境分析のところで、当然パターン化されたSWOT分析を行って、お定まりの「強みを生かして機会を捉える」で、無理やり新規事業につなげた裏付けとしている企業があまりにも多いのです。

確かにSWOT分析は重要です。でも問題はその突っ込みが表面的過ぎるのです。強みの裏付けも具体性も弱いのです。強みで「業界の人脈がある」「市場に精通している」というような表現では全く意味がありません。何故それが言えるのか、定量、定性的に比較した根拠があるのかがわかりません。

経営は全て「原因と結果」の論理で動いています。自社、経営者自身は過去どういうことをやってきたか、今の経営状況とどうつながっているのか、そこに反省するべき点と今後行う将来の種まきは何なのか、事業計画の根拠を因果で説明することが求められているということに気づいていない経営者が多いように感じています。

もちろん新規事業の投資収益性がきちんと根拠ある説明と、具体的な売上確保に向けた経営資源の確保の納得性が前提であることは言わずもがなですが・・・。