このページはJavaScriptを使用しています。
ご使用中のブラウザはJavaScriptが無効になっているか、JavaScriptに対応していません。
サイトを正しく表示、ご利用いただくには、
JavaScriptを有効にするか、JavaScriptが使用可能なブラウザでアクセスして下さい。

価値観が全く変わってしまうアフターコロナの世界

毎日、世界中の人々全員が生まれて経験したことのない世界が目の前に繰り広げられています。一週間前にあれこれ問題だと言っていたことが、すぐに遥か昔のことになってしまいそうな激流の中に立ちすくんでいるのが私たちです。つい先日までオリンピックが果たして開催できるのか、延期できるのかということが連日のニュースとなっていたところが、今や来年の今頃はオリンピックどころではなく、コロナによる死者が山のように積み上がり、日本経済はぼろぼろになって、飲食業や小売、観光業関連の企業やお店は半数以上が倒産、失業者が町にあふれ、労働者賃金も2割、3割低下、犯罪も増えて治安が悪化している・・・かつて経験したことのない世界が満更あり得ないことではないかとも思うようになってきました。多くの店や企業が休業要請され、政府がどう休業補償するのか、対策が遅いと批判が日々渦巻いている一方で、感染拡大は止まっていません。

毎日有名人の感染が増え、どんどん身近に迫ってきている感覚が恐怖感を覚えます。ついに非常事態宣言は全国に広げられました。とにかく外出自粛を徹底して8割の接触削減と繰り返し求められているものの、外出禁止命令ではなく、朝いつものように通勤する人はそう減っておらず、電車は普通に走っていて、飲食店やスーパーも時間短縮していても結構多くの人が外出しています。これでは連休明けまで非常事態宣言を続けたところで、一向に効果が上がらず感染拡大に歯止めはかからないのではないでしょうか。つまり、ずっとこの状態があと何か月も続く可能性が高いのです。そうなると医療崩壊は現実に起こり、コロナ感染以外で亡くなる人も急増するでしょう。しかも、いくら急いで100万、200万の給付金や休業協力金を配ったとしても、あくまで一時しのぎなので、

アフターコロナの世界がどう変わるのかいろいろと考えています。まず確実に言えるのは、今回のコロナ感染が終息したときに、何事もなかったように同じ仕事を再開できることはありえないということです。何か月遅れで同じようにスポーツイベントが再開し、ミュージシャンがコンサートイベントをやれて、行列のできる飲食店に客が戻ってたり、製造業や建設業も同じような受注が入り、給料も同じで、社員はみんな在宅勤務を止めて再びオフィスに出勤したり、休暇時には海外に観光旅行ツアーに行けたり・・・今我慢したらそんな世界は戻ってくる、と思っている人はおそらく生きていけない時代になっているでしょう。

この変化を読めない人ほど、政府に文句を言っているような気がします。テレビで連日芸能人MCやコメンテーターが叫んでいる方たちです。感染症の恐ろしさは毎日何万人もの人が死んでいくのです。つまりビフォーアフターで価値観が180度変わっているということに気付かないといけません。今の仕事や休みたくても休めないと、あいかわらず外出している人の感覚は、アフターコロナの段階になっても、働いている職場も仕事も同じように続いているという錯覚に陥っているのです。

どんな世界になっているか

今までの価値観は、自分自身の嬉しさとか、気持ちよさとかいった、「楽しい」「おいしい」「気持ちいい」「きれい」「楽、便利」とかのリアル世界での肉体的、精神的満足感を満たしてくれる商品やサービス価値に根差していたと思います。もちろん世界がどのように変わろうとも人間の欲求は基本的には変わらないのですが、間違いなく大不況に突っ込んでいくことで、倒産、失業が増えて収入が激減していくことで生きていくために優先的ニーズは大きく変化するのです。しかも、コロナウィルスは完全には消えてなくならないため、いつぶり返すかわからない中で、前提条件として、人と人が直接接する接客サービスの需要は激減することは間違いないものと考えています。接待用のバーやクラブなどの夜の歓楽関係の業界などは、今を乗り越えるための支援がどうのこうのというレベルではなく、アフターコロナまで生き延びたとしても、半数以上が廃業するような壊滅的な打撃を受けるでしょう。また最も悲惨なのが飲食業だと思います。もともと小規模で日銭で資金繰りを回しているところが多く、居酒屋に限らず夜の営業でのアルコール酒類提供での利ザヤに頼っていたところが多く、7時までの提供で8時閉店となることに加え、狭くて3密の典型的な小規模飲食店では昼間のランチ営業でも客はほとんど入っていません。今まで特徴のあるこだわりのグルメが注目され、行列ができるレストランが典型的な飲食店の成功事例でした。ところが、今や行列そのものが感染リスクとなってしまいました。全く価値観が正反対です。

またサービス業以外においても、直接人の接触(会話を含めて)に関わる仕事は避けられます。つまり、今後営業職やオフィス管理部門のあり方も根本から変わってきます。昭和の時代からの古い営業スタイルにおいては、営業に求められる能力は顧客との「直接関係性の構築」、つまりダイレクトコミュニケーション能力とそこから受注につなげる段取りクロージングスキルでした。これらの能力を開発するには、積み重ねの努力が求められ、常日頃いわゆる「KKD(勘、経験、度胸)」が営業の基本と叩き込まれてきました。営業は人と会ってなんぼの世界でした(今までは)。しかし、今ではアポイントを取って訪問しようとお願いすること自体非常識と言われてしまうのです。継続取引先であればまだしも、新規顧客開発のために提案をしようとしても、「来るな!何考えてんねん。必要やったらメールで送っておいて。」と言われるのが落ちです。

しかし、営業なしに売りを確保することはできません。ということは今後は今までとは全く異なる営業が求められるのです。それは新しい営業スタイルとしての「価値関係性の構築」、つまりバリューコミュニケーション能力だと思うのです。

そしてこの新しい営業の基本ともいうべき「新KDD」が次のようなものではないかと考えました。

1.共感・共有の「K」

今までの営業は、商品・サービスの顧客メリットを価値として訴求することに傾注していたと思います。しかし、コロナ問題後は企業も顧客もつながりとか共に助け合おうという共感を土台とした価値観が重要視されると思います。営業もどう顧客との共感やパートナーシップを構築できるかが求められるでしょう。

2.顧客価値・KNOW-HOWの「K」

ビフォーコロナでも重要な要素でしたが、営業は顧客の課題を解決するためのノウハウ提案力が成約につながる条件になります。

3.動画・デジタルオンライン化の「D」

人に会わずに価値提案を行うだけでなく、提供する商品そのものもオンラインによるデジタル商品提供に舵を切り替えていくべきです。今や学習塾は教室での実施は不可能でありオンライン化対応が必須条件です。顧客への提案営業も、いかにわかりやすく価値を共感、共有するには動画が欠かせませんし、オンラインでの関係性構築にはSNSが基盤となっています。サービスもリモート対応能力のあるなしで、採択条件を左右します。ZOOMやYouTubeなんかやったことがないという時点で営業失格と言われる時代に変わっていくでしょう。