中国事業リスクへの警鐘:日本企業が直視すべき課題
中国は世界経済において重要な役割を果たしており、急速な経済成長を遂げてきました。しかし、C党の存続こそが全てに優先される政治的な影響力が強まる中で、近年では中国経済における潜在的なリスクや国内外関係の不安要素とともに、外資の中国投資事業撤退による影響が顕著になってきました。今後日本企業を含む外資企業が慎重に対処すべきポイントについて考察してみたいと思います。
まず、中国経済が直面している主な課題の一つは、過剰な債務と金融リスクです。中国の急速な経済成長は、大規模なインフラ投資や不動産市場の拡大を支えるために、多額の債務が蓄積されてきました。これにより、金融システムの安定性が脆弱化し、金融危機のリスクが高まっています。特に、地方政府や地方企業の負債が懸念されており、これらの債務が崩壊の引き金となる可能性が指摘されています。
さらに、中国経済の成長率が減速しているという事実も重要です。かつて二桁成長を誇った中国経済ですが、人口減少や労働力の高齢化、さらには国際的な貿易摩擦の影響など、さまざまな要因がその要因として挙げられます。経済成長の鈍化が続けば、雇用創出や社会的安定にも影響を与える可能性があります。ところが中国共産党は経済実態の事実を明らかに隠蔽しています。GDPの公表数字は他の経済事実と整合が取れなくなり、若年層失業率の数値など都合の悪い経済指標は公表すらしなくなりました。
中国の経済崩壊がもたらす影響は、中国国内だけに留まりません。中国は世界最大の製造国であり、世界経済において重要な役割を果たしています。そのため、中国経済の崩壊は世界経済全体に深刻な影響を与える可能性があります。特に、中国と密接な貿易関係を持つ国々や、中国に大きく依存する産業や企業にとっては、影響が大きいと言えるでしょう。
外資企業にとって認識すべき政治リスク
C党による一党独裁の政治リスクは、企業の経営において予測困難な要素を含んでいます。C党が国のあらゆるレベルで指導的な役割を果たしています。そのため、党の政策変更や意向の変化は急激かつ不透明で予測が難しいリスクに直面します。例えば、環境規制の厳格化や外国企業に対する規制強化が急に行われる可能性があります。
次に、C党による経済や産業への介入が外資企業による事業に大きな影響を与えています。中国は国家主導の経済モデルを採用しており、企業経営や市場に対して組織的な関与を推進しています。この中で、外資企業は競争の中で優位性を維持するために、政府との繋がりや規制遵守が不可欠です。C党の政策変更が外資企業の事業モデルに大きな影響を与える可能性があるため、継続的な政治リスクのモニタリングが必要です。
第三に、C党の意向と企業の社会的責任(CSR)や倫理観が衝突する場面が起きています。中国政府は企業に対してC党の政治的目的に沿った一定の社会的責任を課しており、C党の政策に従わない企業は不利な立場に立つことがあります。外資企業は、C党の要求と自社の価値観との調整を図りながら事業展開を進める必要があります。過去日本企業の多くは中国の国家運営の基本に理解を示しつつ、党の指導に配慮し、透明性を重視した信頼性のある情報を共有するコミュニケーションの構築に留意してきた歴史があります。
しかし、今後も企業が中国で経済活動を行ううえで認識すべきなのは、ますます不透明かつ増長するC党の政治的圧力に晒されることで、企業が自主的な意思決定を行う余地が制約されている事実です。たとえ意図せずともC党の指針に沿わない活動を行ったり、特定の政治的立場を発言するだけで、企業にとって制約や制裁を受ける可能性があります。事実、本日時点においても具体的根拠を示されずに不当に拘束されて服役している日本人が多くいます。全てにおいて政治を最優先にする国なので、突然不当な水産物禁輸や原材料輸出入の禁止、渡航禁止、ビザの発給停止などありとあらゆる政治手法でマウントを取るという普通の国ではないという認識が必要です。このような状況においては、外資企業は今までとは次元の異なる慎重かつ柔軟に政治的状況に適応する能力が求められます。
C党による政治リスクは外資の中国投資に深刻な影響を与えうる要因となっています。企業は予測困難な状況に備え、透明性を重視したコミュニケーションと、政府との協力を通じて安定的な事業環境を築く必要があります。慎重で計画的なアプローチが求められる中、中国市場で成果を上げるためには、外資企業が地元の政治的状況を深く理解し、適切な戦略を展開することが不可欠です。
元々日本企業は中国の経済発展の可能性に対し、「日中友好」というスローガンを掲げて合弁事業による技術移転で貢献を行ってきたという思いを持っている人が多いのです。過去はいわゆる親中と言われる経営者が大半であったと思います。巨額のODAを続けてきたのは事実です。当時から中国人はある意味ずる賢く、おカネとヒトと技術を外国から引っ張り込んで経済発展を成し遂げました。人のいい日本人の多くはそれでも日中両国が協力しあいともに発展する理想像を思い込まされていたわけです。今だに夢から覚めていない某電機メーカーの経営者もいますが、今のC党が統治する中国が本当に良きパートナーたるべき国なのかどうか振り返るべきではないでしょうか。中国の不都合な真実を正面から見ない能天気な日本企業の経営者がまだまだ多いというのは忸怩たる思いです。
脱中国のビジネスモデルをどう構築するかを考えよう
日本企業にとって中国事業の歴史と関係性の深さから考えると、そう簡単に撤退することはできないとよく言われます。しかし、中国の経済崩壊の可能性は、単なる懸念や仮説に留まりません。そのリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。中国経済の持続可能な発展と安定化に向けて、透明性の向上や金融システムの健全化、さらには経済構造の転換など、幅広い取り組みをしなければならないことは中国も認識していると思われます。
しかし、中国政府の統制が揺らぎ、国内外の安定に影響を及ぼす恐れがあり、中国経済の崩壊や社会的混乱を引き起こす可能性も視野に入れる必要があります。しかし、中国は必死になって力で押さえつけようとしています。そのために透明性は担保されなくなり、その政策自体が政治経済の崩壊や混乱を加速していくだろうと予想できるのです。
どのようなシナリオで進んでいくのかは中国人自身の選択にかかっているわけですが、日本企業経営の立場としては、今は一度立ち止まり、中国に依存しない経済構造をどう作り上げていくかに向けて日本企業の経営資源を集中させるべきではないでしょうか。
アフターコロナの経済回復に沿って、インバウンド需要が急激に回復しています。コロナ前の水準にほぼ戻っています。観光地のオーバーツーリズムの問題も再度深刻化しています。しかし、今年の旧正月の時期に来日した外国人観光客には中国本土からの団体はほとんどいませんでした。これは中国経済の悪化に加え、ビザ免除再開になっていないためです。新聞などは中国からの観光客が少ないと殊更騒いでいたようですが、京都や大阪では外国人観光客であふれかえっている状況を見ると、中国から観光客が来てくれなかったことでむしろ助かったという声も多く聞かれました。中国に依存しなくてもインバウンド需要が戻り、逆に中国への旅行でビザ免除になったとしても、写真を撮っただけでいつ公安に捕まるかも知れないような国に何故行きたいのかと思うくらいです。
福島の処理水問題の件で世界で唯一(北の某国を除いて)反対し、日本の水産物を全面禁輸して勝ち誇った傲慢な態度を続けています。一方、日本のマスコミも全くポイントがずれています。中国への輸出が激減したという誰でもわかるようなの数字をわざわざグラフ化して騒いでいるメディアには辟易するのですが、ホタテの皮むきも中国以外に委託先を新規開発しており、中国以外への輸出や国内消費も絶好調です。一方で中国国内の飲食産業はがたがたになって、ショッピングモールのテナントはまさに「閉店ガラガラ」状態で、失業者もどんどんあふれかえってきたと報じられています。
製造業においてもサプライチェーンも中国に依存しないネットワークが着々と進んでいます。中国展開した日本企業や台湾、韓国などの外資がどんどん中国から東南アジアに移転しているだけでなく、中国の国内企業ですら中国に留まっていては顧客も流出して売上が減少し、部品調達も厳しくなり、生産性以上に人件費も急上昇しているために、従業員解雇や倒産する危機は危険水域に達しつつあります。
中国企業自身も脱中国のビジネスモデル構築のために必死です。中国に部品加工を発注していた日本企業も、中国政府による長期間ロックダウン政策のために日本企業も中国企業もサプライチェーンががたがたになり痛い目に合っています。最近では日本企業と中国企業が合弁でベトナム等東南アジアに設立されている製造会社が増えています。日本企業の技術ノウハウと中国企業のモノづくり対応力、ベトナム人材の質と人件費の優位性をいかした新しい合弁ビジネスモデルは今後競争優位性を発揮するのではないかとみています。
中国企業も海外に何とか資産を移して生き残りを図ってきているのに、今だ中国の夢を追いかけ、あくまで中国にのめり込み続けている一部の日本企業の将来は悲惨になるのは確実だろうと思うのです。