人生の一つの節目
しばらく2週間近くブログを更新していませんでした。
実は、今月の始めに父親が亡くなったため、葬儀や役所関連の手続きなどバタバタしていました。喪主であったためまだ四十九日の法要が終わるまで気忙しい状況ですが、だんだんと落ち着きを取り戻しつつあります。
一番近い身内を亡くすことは初めてのことでしたが、享年88歳というある意味人生を全うしたともいえるので、悲しみというよりも、私自身にとっても人生の一つの区切りとしての実感があります。晩年は数年前から認知症も患う中で、施設に入ってからも誤嚥性肺炎で入退院を繰り返していました。
会社に勤めていたときも、また退職後独立した今でも、頻繁に海外に居住または出張しているので、常々親の死に目には会えないのではと思っていたのですが、最後は息を引き取る瞬間に立ち会えることができ、そのことだけでも良かったと感じています。
父が亡くなるのは、点滴の針がもう入らないと医師から告げられた時点で、余命がいくばくもないことはわかっていて覚悟はできていました。ただ不思議なことに、そのときから以降、私自身の周りにいろんな節目ともいえることが起きてきたように思います。
細かいことはいろいろとあるのですが、今の仕事についても、父が亡くなる一週間前あたりから、結構新たな要望を受けるようになってきたのです。
以前からベトナムに関してセミナーで講演することは定期的にあったのですが、ここ一月ほど新たなご依頼が増えてきているのです。単なるタイミングかも知れないのですが、驚くことにしばらくお会いしていなかった某大学の教授から、来年度から大学の非常勤講師として教壇に立たないかとの話をいただいたのです。修士でも博士でもないので、そのような機会はないとは思っていたのですが、理論より実践経験から教えられるコマを講師に依頼したいとのことでした。まだ最終決定ではありませんが、単に社内研修における社員講師であった私と外部招聘講師であった大学教授との関係でしたが、その研修後もいろいろとかわいがっていただいていました。私が退職独立後は、あまり深いおつきあいがありませんでしたが、いろんな事情があったにせよ、声をかけていただいたのは大変うれしく思いました。
講演依頼の増加とともに大学での講師のお話、そして他企業からも顧問支援の相談を受けるなど、明らかに今後の進むべき方向について新たな局面を迎えたという気がします。独立開業して4年以上になりますが、一人で経営していることに加え、そう大々的な経営拡大を望んではいませんでした。しかし、父が死を迎える前後から自分自身の身に起きてきた新たな周囲の変化を感じざるを得ない状況なのです。
これを人生の節目というのは単なる思い過ごしかも知れません。父とは晩年の数年間はほとんど意思疎通がまともにはできなくなっていたのですが、言い残しておきたかったことは何だったのかを考えるに、最近身の回りに起きている変化を、私自身の残りの人生に与えられた使命はこれだと言われているような気がしています。
その使命とは、「次世代につなぐ」・・・そのために自分がやり残したこととは何か自問自答しているこの頃です。